口のなかの健康と、カラダの健康の関係

考える女性

「Floss or Die」というキャッチコピーを知っていますか?

 

これはアメリカ歯周病キャンペーンに使われたもので、「フロスしますか?それとも死にますか?」という意味があります。
つまり、「フロスをしないで歯周病になって、それが原因で死んでもいいですか?」という意味があり、それだけ口の中の健康と、カラダの健康の関係が深いということを物語っているのです。

口腔がカラダ全体に及ぼす影響

口腔機能低下が身体に及ぼす影響

人間が生きていく上で欠かせないのが食べることです。食べ物の入口である口腔機能が低下すると、食べられるものに制限が出てきます。

すると栄養に偏りがでたり、エネルギーが不足したりします。その結果免疫力や筋力の低下が起こり、様々な病気にかかりやすくなってしまうのです。

口腔機能低下が精神に及ぼす影響

人とコミュニケーションをとる上で重要なのが話すことです。

 

ところが口腔機能が低下して会話をすることが困難になったり、一緒に食事をすることに支障をきたしたりしてしまうと、人とのコミュニケーションが苦痛になり、家に閉じこもり気味になってしまうことがあります。
すると精神的に不安定になって鬱病を引き起こしたり、高齢者であれば認知症の引き金になってしまったりします。

口腔細菌=バイオフィルムとは?

バイオフィルムって何?

バイオフィルムとは、微生物によって形成される構造体のことです。
身近な例としては、台所やお風呂のぬめりなどがそうです。自然界にも多く存在し、気質と水があれば、あらゆる場所に存在することができます。

 

口腔二大疾患である虫歯と歯周病は、ともにバイオフィルム感染症です。

口腔内は唾液で常に潤っており、温度的にも栄養的にもバイオフィルムの繁殖には最適な環境であります。また歯は常に固定されており、皮膚や粘膜のように剥げ落ちることがないため、バイオフィルムが定着しやすく、また成長しやすくもあります。

歯磨きだけではだめなの?

バイオフィルムが厄介なのが、ブラッシングでは容易に除去することができない点です。

抗生物質や洗口剤でも完全に死滅させることは困難です。

定期的に歯科医院でバイオフィルムを除去してもらった上で、毎日の歯磨きをきちんとすることが虫歯や歯周病を防ぐ最も効果的な手段と言えるでしょう。

歯周病が原因になる病気

歯周病と糖尿病

歯周病とカラダの関係は密接ですが、特に歯周病に関わりのある病気が糖尿病です。糖尿病になると身体の抵抗力が下がるため、様々な合併症が起こりやすくなりますが、歯周病はその合併症の一つです。

 

歯周病になると、歯茎に炎症が起こりますが、その炎症性物質がインスリンの働きを妨げ糖尿病を悪化させてしまいます。

 

逆に糖尿病の症状である高血糖状態が続くと感染症にかかりやすく、また血管が傷んでしまうため、歯周病が進行しやすくなるという悪循環が起こるのです。

歯周病と心臓病

歯周病の人はそうでない人に比べて心筋梗塞などの心臓疾患にかかる可能性が1.15〜1.24倍も高いと言われています。

 

血管内に侵入した歯周病原性細菌やその病原因子などが、血液を通して冠状動脈に到達すると血管内にプラークができ、心疾患を起こしやすくなってしまうのです。

歯周病と肺炎

気管に入った唾液中の歯周病菌が肺に感染して起こることを誤嚥性肺炎と言います。高齢者に多くみられる病気の一つです。

 

歯周病原性細菌が胃に入れば胃酸で殺菌されるのですが、誤って気管に入って肺に入ってしまうことによって誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうのです。

 

実際に、この病気の多くの患者さんから歯周病原性細菌が見つかっています。

まとめ

口の中の健康がいかにカラダの健康に関係するのかが伝わったことと思います。人間ドッグや健康診断など、カラダの健康には気を配れても、口の中の健康はついついなおざりにしてしまいがちです。

 

これを機に、歯科検診や口腔ケアを意識して行ってみるといいですね。